2011年、ミシシッピ川氾濫の歴史

2011.05.10
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
アメリカ南部、ルイジアナ州ノルコにあるボンネ・キャレ放水路(Bonnet Carre Spillway)で新たにゲートが開かれ、ミシシッピ川から大量の水が勢いよく流れ込んでいる(5月9日撮影)。1927年の大洪水を受けて建設され、ミシシッピ川の水をポンチャートレイン湖に放流する仕組みになっている。直線距離で550キロ北のテネシー州メンフィスでも10日、ミシシッピ川の水位が14.6メートルに達したという。1927年の大洪水に迫る高さである。

Photograph by Patrick Semansky, AP
 アメリカ南部、ルイジアナ州ノルコにあるボンネ・キャレ放水路(Bonnet Carre Spillway)で新たにゲートが開かれ、ミシシッピ川から大量の水が勢いよく流れ込んでいる(5月9日撮影)。1927年の大洪水を受けて建設され、ミシシッピ川の水をポンチャートレイン湖に放流する仕組みになっている。 直線距離で550キロ北のテネシー州メンフィスでも10日、ミシシッピ川の水位が14.6メートルに達したという。1927年の大洪水に迫る高さである。

 アメリカ北部ミネソタ州のイタスカ湖を源流とするミシシッピ川は、10州約3700キロを縦断しメキシコ湾に注ぐ。今回の洪水は5月21日までにミシシッピ州ナチェズ(ルイジアナ州との州境)、同月末にはメキシコ湾に到達するとみられている。洪水が刻々と近づくアーカンソーやミシシッピ、ルイジアナ各州では、住民が砂袋を積み上げて土の壁(土塁)を築いているという。

 アメリカの心臓部を流れるミシシッピ川には、支流が31州から注ぎ込んでいる。世界第3位の流域面積で、洪水の歴史は数世紀に及ぶ。1543年にはスペイン人探検家が、大洪水で川幅が約128キロに広がったという記録を残している。平常時は、最大でもイリノイ州オールトン付近の1.6キロほどだ。

 民間気象予報サービス会社「ウエザー・アンダーグラウンド(Weather Underground)」の気象学ディレクター、ジェフ・マスターズ氏は、「ミシシッピ川は上流と下流で“2つの川”という見方もできる」と述べている。下流域はオハイオ川との合流地点(イリノイ、ミズーリ、ケンタッキーの州境)以南にあたる。オハイオ川流域の大量の雨水と雪解け水が合流し、膨れ上がった洪水が南下するのが1つのパターンだ。

 同氏によると今回は、上流域のミネソタ、ノースダコタ、サウスダコタ各州での大雨と冬季の豪雪が原因とみられている。ロッキー山脈より東、アパラチア山脈以西のアメリカ中央部では、1900年代初頭から大規模洪水によって何度も被害が出ている。

Photograph by Patrick Semansky, AP
  • このエントリーをはてなブックマークに追加