バイオスーツ、NASA宇宙服の歴史

2011.05.06
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体にぴったりと密着するタイプの次世代宇宙服。宇宙飛行士を保護しながら柔軟性も確保できるように設計されている。人類が再び月に降り立ち、いずれ火星へ到達する可能性が語られる中、NASAによる新しい宇宙服の開発も再び活発化している。マサチューセッツ工科大学(MIT)の宇宙航空学者デーバ・ニューマン氏が設計した「バイオスーツ(BioSuit)」は、非常に洗練された滑らかなデザインで、従来のガス与圧構造による着ぶくれた外見は一変している。

Photograph courtesy Douglas Sonders; designed by Dava Newman/MIT and Guillermo Trotti/Trotti and Associates
 体にぴったりと密着するタイプの次世代宇宙服。宇宙飛行士を保護しながら柔軟性も確保できるように設計されている。人類が再び月に降り立ち、いずれ火星へ到達する可能性が語られる中、NASAによる新しい宇宙服の開発も再び活発化している。 マサチューセッツ工科大学(MIT)の宇宙航空学者デーバ・ニューマン氏が設計した「バイオスーツ(BioSuit)」は、非常に洗練された滑らかなデザインで、従来のガス与圧構造による着ぶくれた外見は一変している。弾性繊維による加圧システム(MCP:mechanical counterpressure)を採用して、体全体に特殊素材の層を密着させる仕組みになっている。このバイオスーツはまだ宇宙旅行に使用できる段階ではないが、ニューマン氏は、「あと10年もすれば実用レベルのプロトタイプが完成するだろう」と話す。

 ただし、大手宇宙服メーカー「ILCドーバー」のビル・アイリー氏は懐疑的だ。「理論上は、真空の宇宙空間で宇宙飛行士が必要とする圧力を維持できる。しかし、実用化は無理だと思う。宇宙服は圧力だけでなく、保温や熱遮断といった温度面での問題など、過酷な環境に起因するさまざまな困難に対処する必要がある。宇宙飛行士を守る万能な素材は存在しない。結局、要件に応じた素材を重ねることになり、タイトな宇宙服の利点は失われてしまうだろう」。

Photograph courtesy Douglas Sonders; designed by Dava Newman/MIT and Guillermo Trotti/Trotti and Associates
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