続く苦悩、チェルノブイリ作業員

2011.04.27
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チェルノブイリ原子力発電所の事故処理のために召集されたリクビダートル(後始末する人)たち(最初の爆発から5カ月後に撮影)。放射線量が高い原子炉建屋の屋根部分の除染作業を担当した。25周年を翌日に控えた4月25日、元リクビダートルたちはモスクワでメドベージェフ大統領から勲章を授与された。しかしメディアは、過酷な任務の爪跡にいまだ苦しむ現実を伝えている。

Photograph by Igor Kostin, Sygma/Corbis
 チェルノブイリ原子力発電所の事故処理のために召集されたリクビダートル(後始末する人)たち(最初の爆発から5カ月後に撮影)。放射線量が高い原子炉建屋の屋根部分の除染作業を担当した。 25周年を翌日に控えた4月25日、元リクビダートルたちはモスクワでメドベージェフ大統領から勲章を授与された。しかしメディアは、過酷な任務の爪跡にいまだ苦しむ現実を伝えている。作業員のウラジーミル・コンドラショフ(Vladimir Kondrashov)氏はAFP通信に対し、「当初は自分が英雄になったような気もしたが、高揚感はすぐに冷めた。今は月収わずか2万3000ルーブル(約6万8000円)の生活だ」と語っている。当初は国から多額の医療補償金が出たが、後に減額されていた。

 国際原子力機関(IAEA)によると数多くの研究は、作業員たちの放射線被曝と高い発ガン率・死亡率との間に直接的な因果関係を認めていない。しかし、心的外傷後ストレス障害の症状は確実に現れているという。

 米国エネルギー省のローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)は、独自に開発した「蛍光in situハイブリダイゼーション法(FISH)」で作業員たちを検査した。リンパ球内で誤った再結合を起こす相互転座(染色体の一部が入れ替わること)の数を検出し、染色体異常を測定する技術だ。被曝の影響は明らかで、老化の進行が約10年早まっており、喫煙を同じ年月続けた場合と同程度の異常だった。

 同研究所によると、被曝による健康面へのダメージは小さいとみられている。しかし、各個人の健康リスクは特定できないという。被曝量が作業内容によって異なり、喫煙や飲酒、食事など生活習慣も影響するからだ。健康被害とチェルノブイリ原発事故との関連性解明は、年々難しくなっている。

Photograph by Igor Kostin, Sygma/Corbis
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