メガネザルの新種化石、タイ炭鉱で発見

2011.03.15
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新種の化石メガネザル(学名:Tarsius sirindhornae)の復元想像図。

Illustration courtesy Yaowalak Chaimanee
 新しい研究によると、タイの炭鉱で複数発見された顎の骨の化石は、今はいない新種のメガネザルのものだった。 メガネザルはサルやヒトと同じ祖先をもつ霊長類。大きな目をした夜行性の動物で、現在は主に東南アジアに生息している。

 新種のメガネザル(学名:Tarsius sirindhornae)は約1300年前に生息していた。タイの鉱物資源総局に所属する地質学者で、研究を率いるヤオワラク・チャイマネ(Yaowalak Chaimanee)氏によると、顎の化石から体重は最大180グラムあったと推定され、わかっているメガネザルのなかで最大だという。

 チャイマネ氏の研究チームは、タイのラムパーン県にある古い炭鉱で、このメガネザルの顎の化石を18個発見した。1個あたり1~4個の小さな歯がついている。

 現在もそうだが、メガネザルは当時とても珍しかったとチャイマネ氏は述べている。「だから、顎が18個というのは奇跡的なのだと考えられる」。

 絶滅したメガネザルはおそらく、現代のメガネザルと同様にジャンプが得意で首を180度回すことができた。しかしこの化石には少なくとも1点、新種をその子孫と分ける特徴がある。

「現存するメガネザルは昆虫や小型の哺乳類を食べることがわかっている。非常に鋭い歯を持っている」とチャイマネは話す。「発見した化石は、とても丸い歯をしている。どの歯もすり減っている。(新種は)違うものを食べていたと考えているが、それが何であったのかについてはさらに調査が必要だ」

 このメガネザルが生きていた当時、炭鉱の周辺は深いジャングルだった。見つかった顎の化石は、空を飛ぶ捕食動物の食餌となったメガネザルのものなのではないだろうか。チャイマネ氏はこのような仮説を持っている。

「捕食動物がペリット(消化されずに体内に残ったもの)を吐き出した。そのペリットが流されて」、炭鉱になったこの地帯にたどり着いたとチャイマネ氏は説明する。「たくさんの顎がまとまって見つかったのはこのためではないか」。

 この新種のメガネザルについては「Proceedings of the Royal Society B」誌2010年12月号で説明されている。

Illustration courtesy Yaowalak Chaimanee

文=Rachel Kaufman

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