洞窟に暮らす新種のカニムシを発見

2011.02.07
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新種のカニムシ、学名クリプトグレアグリス・ステインマニ。米コロラド州グレンウッド洞窟では、食物連鎖の頂点に位置する。

Photograph courtesy Dave Steinmann
 毒を持ち、ほとんど目が見えない新種カニムシがアメリカのコロラド州で見つかった。 体長1.3センチの新種「クリプトグレアグリス・ステインマニ(Cryptogreagris steinmanni)」が最近発見されたのは、温泉で有名なコロラド州グレンウッド・スプリングス近郊の高地にある複数の洞窟。

 カニムシは基本的に、毒針の尾を持たないサソリと言える。しかし、この新種は長いはさみの先端に毒があり、地中の暗闇でトビムシのような素早い獲物を捕まえているようだ。

 研究論文によると、この新種は「グレンウッド洞窟」と「ヒストリック・フェアリー洞窟」(Glenwood Caverns and Historic Fairy Caves)一帯にのみ生息している可能性が高いという。

 デンバー自然科学博物館の動物部門に所属する洞窟生物学者デイビッド・スタインマン氏は、「グレンウッドの洞窟の多くはいわば陸の孤島だ。隔絶された環境で暮らす無脊椎動物が進化し、地中の生活に適応していく」と説明する。このクモ網の節足動物は2000年、洞窟ツアーガイドのミカ・ボール氏が発見し、その後スタインマン氏によって採取された。

 原始的な目と淡い色が特徴で、暗く冷たい環境に見事なまでに適しているという。そしておそらく、何百万年も前から洞窟の中を動き回っていたようだ。

 新種の詳細はほとんどわかっていないが、珍しい存在には違いない。寿命が比較的長く、危険が迫ると体を丸めると考えられている。今まで人目を避けてこられたのは、岩に溶け込む外見のおかげだろう。また、小さな生き物を探して洞窟を駆けずり回る物好きもほとんどいない。

 洞窟の探検に熱心なスタインマン氏は、コロラド州だけで100を超える新種の無脊椎動物を発見している。グレンウッド・スプリングスでは少なくとも7種を見つけた。「穴があったら入る。私には楽しくてたまらない」とスタインマン氏は話している。

 この研究成果は2010年12月、「Subterranean Biology」誌に発表された。

Photograph courtesy Dave Steinmann

文=Christine Dell'Amore

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