トリケラトプスの祖先を再調査で発見?

2011.02.07
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新種ティタノケラトプスの可能性がある、長さ約2メートル40センチの頭骨。

Photograph courtesy Nicholas Longrich, Yale University
 これまでペンタケラトプスと分類されていた骨格標本を再調査した結果、体重約6.8トンの新種巨大恐竜である可能性が浮上した。体重5トン以上、アフリカゾウサイズの大型角竜トリケラトプスに匹敵するという。「ティタノケラトプス」と命名されたこの新種角竜は、頭骨の大きさが2.4メートルほどあり、約7400万年前の白亜紀後期の恐竜としては北アメリカ大陸最大だという。

 本当に新種であれば、大型角竜であるトリケラトプス類の巨大化は定説より約500万年以上も早く始まったことになるという。「約7400万年前にこれほど巨大で高度な恐竜がいたとは予想外だ」と、この研究を率いたイェール大学の古生物学者ニコラス・ロングリッチ氏は驚きを隠せない。

 だが、他の専門家は骨格標本が完全ではないため、新種と判断するには時期尚早だとしている。クリーブランド自然史博物館で古脊椎動物学の学芸員を務めるマイケル・ライアン氏は、「ロングリッチ氏の見立てが正しいと良いが、優れた標本が見つかるまでペンタケラトプスの可能性も捨てきれない」と指摘する。

 今回の研究によると、この骨格標本は1941年にニューメキシコ州で発見、1995年に“非常に大きなペンタケラトプス”の頭骨と判定された。

 しかし、ロングリッチ氏が最近調べ直したところ、ペンタケラトプスとは異なる身体的特徴が20カ所見つかった。鼻の形や前方に曲がった巨大なツノなど、違いの多くは典型的なトリケラトプスと一致する。そのためロングリッチ氏は、ペンタケラトプスではなく、トリケラトプスの祖先にあたる新種ではないかと考えた。

 同氏によれば、ティタノケラトプスはトリケラトプスより鼻が長く、ツノもわずかに大きいほか、骨質の襟飾り「フリル」が薄いなど優美な姿をしていたと想像される。

 さらに有力な補強証拠が大きさだ。保存状態の良い約6体のペンタケラトプス化石よりも約2倍ほど大きい。「この頭骨をペンタケラトプスとするには違いがあまりにも多すぎる」と同氏は主張する。

 一方、異議を唱えるライアン氏は、ペンタケラトプスとそこまでの差はないと指摘する。理由の1つは、ロングリッチ氏が挙げた20の特徴は判断基準として不適切で、別の種と確実に特定できないからである。

「他にもある」とライアン氏は指摘する。「この標本は古生物学者が角竜類を分析する上で最も重要な部位が欠けている」。それはフリルの裏側だ。「角竜類の特徴を最も表す部分で、フリルがあれば判断がつきやすかっただろう。想像図を見る限りペンタケラトプスの域を出ていないように思える」。

 この標本の大きさについては、単に他の個体よりも成長している可能性を挙げる。成熟した恐竜化石はほとんど見つかっていないため、化石の記録から年齢を判断することは通常難しい。

 これに対しロングリッチ氏は、成熟したペンタケラトプスの標本が少なくとも2体見つかっており、どちらもかなり小さく似ていないと反論している。「たしかに、フリルが欠けていることは残念に思う。だが、それほど重要な問題ではない。実際、フリルの欠片がいくつか残っているが、ペンタケラトプスとはほとんど似ていない」。

 ティタノケラトプスの研究は、「Cretaceous Research」誌の次号に掲載される。

Photograph courtesy Nicholas Longrich, Yale University

文=Christine Dell'Amore

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