“メイク”で異性の気を引くフラミンゴ

2010.11.11
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隊列を成して飛ぶフラミンゴ(資料写真)。

Photograph by Bobby Haas, National Geographic
 フラミンゴはなぜ美しいピンク色に染まるのか。鮮やかな色の理由が新研究で解明された。異性を引きつけるために“メイクアップ”をしているのだという。 フラミンゴは、孵化した直後は白く、色素を含むエサの摂取で体色がピンク色になる。色が変化するのは、エサの違いか、または太陽光で色褪せる場合だけだと長年考えられていた。

 だが、スペインのドニャーナ生物学研究ステーション(Donana Biological Research Station)でオオフラミンゴを研究していた鳥類学者フアン・アマット氏は、それとは異なる現象に気づいた。

「ヒナが孵化すると間もなく、成鳥のピンク色が薄くなることに気づいた」とアマット氏は言う。「成鳥の色はしばらくすると元の濃さに戻ったが、羽は生え替わっていなかった。そのため、“化粧品”のようなものが存在するのではないかと考えた」。

 この仮説を確かめるため、研究チームはスペイン国内3カ所の湿地帯でフラミンゴの色の季節的変化を調査した。同時に、繁殖、羽繕い、求愛行動も観察している。

 望遠鏡を使い、フラミンゴ1羽ずつに「1」(淡いピンク)~「3」(鮮やかなピンク)の範囲で色を表す数値を割り当てた。その結果、色の数値は繁殖期の2月には平均1.7だったが、孵化したヒナを育てる5~9月には平均1.0に低下することがわかった。10月になると再び1.6まで上昇したという。

 フラミンゴは他の鳥類と同様に、尾の近くにある尾脂線から脂を分泌し、クチバシで羽に塗りつける習性がある。この脂は羽を長持ちさせ、防水性を保つことがわかっている。だがアマット氏は、羽の着色にも利用しているのではないかと推測した。

 フラミンゴは藻類や小型の甲殻類などの食物からカロテノイドという化合物(色素)を吸収し、羽の色を作り出している。フラミンゴの羽には元々一定量のカロテノイドが存在する。捕獲した個体から採集した標本を研究チームが調べたところ、尾脂線から出る脂には特にカロテノイドが豊富に含まれているとわかった。また、オスとメスのどちらも、繁殖期には脂を羽に塗りつける行動が増えていた。

 一般にピンク色が鮮やかなほど異性を多く引きつける。したがって、自分の魅力を高めるために、脂を“メイクアップ”のように塗りつけていると考えられる。「この事実を発見して興奮した。ヒゲワシなどには泥を浴びて羽を染める行動が見られる。フラミンゴのような“化粧品”を使っているかどうか、他の種でも観察してみる必要がある」とアマット氏は語る。

 今回の研究は、「Behavioral Ecology and Sociobiology」誌オンライン版で10月23日に発表された。

Photograph by Bobby Haas, National Geographic

文=Matt Kaplan

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