消滅寸前の文化遺産:アニ遺跡、トルコ

2010.10.25
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トルコのアニ遺跡にあるティグラン・ホーネント(アルメニア人寄進者)の聖グレゴリオ教会(Church of St. Gregory of Tigran Honents)。中世にアルメニアの都市として栄えたが、朽ち果てたフレスコ画が物語るように保存状態は悪化している。

 10~11世紀頃にアルメニア人が定住し、王国の宗教的中心地として栄えた。ヨーロッパのゴシック様式にも影響を与えた教会などの建築物が残っている。14世紀にトルコの支配下に入るとアルメニア人は退去を余儀なくされ、アニは放棄された。適切な保護が失われて現在は廃墟と化し、略奪や破壊行為が横行している。

Photograph by Umit Bektas, Reuters
 トルコのアニ遺跡にあるティグラン・ホーネント(アルメニア人寄進者)の聖グレゴリオ教会(Church of St. Gregory of Tigran Honents)。中世にアルメニアの都市として栄えたが、朽ち果てたフレスコ画が物語るように保存状態は悪化している。 アメリカ、カリフォルニア州サンフランシスコに本拠を置く非営利団体「グローバル・ヘリテージ・ファンド」が先週、崩壊寸前の文化遺産12件を発表した。トルコ・アルメニア国境付近の武装地帯にあるアニ遺跡もその1つだ。

 10~11世紀頃にアルメニア人が定住し、王国の宗教的中心地として栄えた。ヨーロッパのゴシック様式にも影響を与えた教会などの建築物が残っている。14世紀にトルコの支配下に入るとアルメニア人は退去を余儀なくされ、アニは放棄された。適切な保護が失われて現在は廃墟と化し、略奪や破壊行為が横行している。

 報告書によると、同じような事態が世界各地で起きているという。考古学的・文化的に価値が高い地域が、略奪、開発圧力、持続可能性の低いマスツーリズム、不十分な管理、戦争や紛争などで危機的状況にある。

 ただし、グローバル・ヘリテージ・ファンドの事務局長ジェフ・モーガン氏は、「完全に消滅してしまうとは思わない。今後のダメージを最小限に食い止めることはできる」と話す。わずかな投資があれば、何世代にもわたって持続可能な観光資源として復元、発展させることが可能だという。

Photograph by Umit Bektas, Reuters
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