新種のオオトカゲ、都市近郊の森で発見

2010.04.08
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フィリピンのルソン島に生息するオオトカゲの新種(学名:Varanus bitatawa)。

Photograph by Joseph Brown
 背の高い人間ほどの体長で2つのペニスを持つオオトカゲ属の新種(学名:Varanus bitatawa)が発見された。フィリピンの人口密集地帯に生息するにもかかわらず、これまで確認されていなかった。 最新の研究によると、このオオトカゲは現地の部族の狩人の間では古くから知られていたが、DNA、ウロコのパターン、体長、独特のペニスの形状から2009年に新種と認められたという。

 体長約2メートルの新種のトカゲは、現生の爬虫類では世界最大のコモドオオトカゲの近縁に当たるが、コモドオオトカゲと違い進化の過程で草食化した。

 この新種を発見した研究チームは、今回の発見は「前代未聞の驚き」と述べる。特に、このトカゲが生息するルソン島が「人口密集地帯であり、森林破壊も進んでいる」にもかかわらず、これまで発見されなかったことが驚きだという。

 体重10キロのオオトカゲがこれまで発見されなかった理由について研究チームは、生息地の山林で爬虫類の調査がほとんど行われていなかったためと推測する。

 また、オオトカゲの調査と保護活動を行う「マンパン・コンサベーション」の生物学者で研究に参加したダニエル・ベネット氏は、このトカゲは「信じられないほど姿を見せない」と話す。「あの山林で長年過ごしても、あのトカゲがいるとは思いもつかないだろう。彼らは果物を主食としており、高さ20メートル以上の高い木の上でほぼ1日中過ごす」。地上にいる時間が1週間に20分にも満たない近縁種もいるという。

 しかし、科学者はオオトカゲの存在に気づかなかったが、地元の部族民にとってこの発見は驚きではなかった。部族民はこのトカゲを捕獲してその肉を食べているのだ。このトカゲを食べる狩人の写真が2001年に撮影されており、その写真がきっかけで、研究チームは2009年夏にこの珍しいトカゲを探す2カ月間の調査を行った。

 研究チームはこのオオトカゲだけでなく、同じくフィリピン原産で非常に珍しい近縁種のグレイオオトカゲ(学名:Varanus olivaceus)も捕獲した。

 この2つのタイプのオオトカゲを捕獲できたことは非常に重要だとベネット氏は話す。両タイプを詳細に比較し、そのわずかな違いを見つけ出せば、2つが別の種なのかどうかを判断する手かがりになるからだ。種の違いを特に明確に示す特徴の1つが、オオトカゲが共通して持つ双頭型のペニスで、その形は種によって異なる。

 今回の発見により、「フィリピンが世界的に保護すべきホットスポットであり、この地域で最も多様な生物を抱える国であるとの認識が改めて高まった」と研究チームは指摘する。また、フィリピンでは今後も新種のオオトカゲを発見できる可能性が高いとベネット氏は考えている。ただし、熱帯雨林が急激に減少してオオトカゲの生息地が無くなってしまう前に発見できればの話だが。

 この研究は「Biology Letters」誌オンライン版で2010年4月7日に公開された。

Photograph by Joseph Brown

文=James Owen

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