カムチャツカで同時に噴火する2つの火山を捉えた衛星画像。2010年2月13日撮影。中央にある3つ目の噴煙のように見えるものは、噴煙ではなく雲である。

Photograph courtesy Jesse Allen, NASA Earth Observatory
 NASAは、ロシアにある2つの隣り合った火山が同時に噴火する様子をとらえた衛星画像を公開した。同時に噴火したのは、カムチャツカ半島にあるクリュチェフスカヤ山とベズイミアニ山。このような写真を見ると驚くかもしれないが、テキサス州にあるサザンメソジスト大学の地質学者ジェームズ・クイック氏によれば、実はそれほど意外なことではないという。「カムチャツカの火山は非常に活発なので、複数の火山が同時に噴火するのは珍しいことではない。むしろ、これらの火山が互いに近くにあることで同時に噴火する可能性が高くなっている」。

 同氏によれば「この2つの火山をつなぐ大きなマグマ溜まりやマグマの通り道」は存在しないが、どちらの火山も活動が活発な同じ沈み込み帯(1つのプレートがもう1つのプレートの下に潜り込む場所)の上にある。そのため、これらのプレートが擦り合わされ、熱、溶岩、ガス、灰などが地中を通って一方の火山に送り込まれると、もう一方の火山にも同じように送り込まれている可能性があるという。

 今回の同時噴火の口火を切ったのは、2010年2月11日のクリュチェフスカヤ山(標高4835メートル)の噴火だった。焼け焦げた岩の塊が上空300メートルを超える高さまで吹き飛ばされ、ガスと水蒸気が海抜6000メートルの高さにまで立ち上った。

 これとほぼ同時にベズイミアニ山(標高2882メートル)が噴煙を上げた。この噴煙は隣のクリュチェフスカヤ山と比べれば小さく弱々しいが、低空を飛ぶ飛行機にとっては十分危険なレベルだ。

 カムチャツカの火山群は地球上で最も活動が盛んな火山群の1つである。その理由の1つは、この火山群が地震活動の活発な環太平洋火山帯に位置していることだ。環太平洋火山帯は弧の形をしており、チリからほぼ北へ向かってアラスカまで続き、そこから西に向きを変えて日本を通り、さらに南に向かって南太平洋に達している。

 地球規模で見れば、火山の同時噴火は常に起こっている。スミソニアン協会の凡地球火山活動プログラムによれば、地球上ではおよそ20個の火山が常に噴火しているという。中にはイタリアのストロンボリ火山のように、1000年以上噴火し続けているものもある。

「2005年のある時期にはアメリカ国内で5つの火山が同時に噴火していた」とクイック氏は話す。「ハワイで1カ所、マリアナ諸島で1カ所、セントヘレンズ山、それにアラスカで2カ所だった。どの山を見ても噴火中だと言える状況だった」。

Photograph courtesy Jesse Allen, NASA Earth Observatory

文=Ker Than