第4回 「恐竜研究者」に向いている人

米国アラスカで、共同調査をしているトニー・フィオリロ博士(右、米国テキサス州ダラスのペロー科学自然博物館)と、次にどこへ向かうか議論しているところ。

 恐竜化石の調査でフィールドを歩いていると、ふと思うことがある。「いつからこんな“探検家”のようなことをするようになったのだろう?」

 現在、米国アラスカ州とモンゴル南部を中心に、毎年3~4カ月間は恐竜化石のフィールド調査に出ている。5月くらいになると準備に追われるようになり、6・7月はアラスカ、8・9月はモンゴルに向かう。

 アラスカでは、夏のフィールドといっても雪に見舞われることも多く、グースダウンの寝袋やウールのシャツ、GORE-TEXのジャケットなどで、寒さ対策をしなくてはならない。しかも、かなりの僻地に、限られた物資を持って少ない人数で行動するため、しっかりとした準備が必要だ。
 数十キロの荷物を担ぐので、自分の体にあったバックパックを用意しなくてはならないし、足下の悪いツンドラを延々と歩くには、自分の足に合ったブーツを探さなければならない。小川がたくさんあるので豊富に水があるように見えるが、川の水には、氷河によって削られて運ばれてきた泥やランブル鞭毛虫(べんもうちゅう)という寄生性の原生生物が含まれているので、濾さなければ飲めない。準備するものが山ほどある。

米国アラスカ州の調査の準備風景。右手前にある黒い筒は強化プラスチックでできた入れ物で、食べ物などにおいのするものを入れて、クマに食べられないようにする。