番外編 研究をめぐる不思議な縁について

 ぼくがどのように、チューリッヒ大学の清水健太郎研究室にたどり着いたか。

 なにか仕組まれたように、不思議な縁があるので、簡単に紹介しておく。

 ことの起こりは、2013年4月に本連載の取材で訪ねたチューリッヒ工科大学の飯田史也さん。「生物に着想を得たロボット」の研究で、大変、注目されている研究者だ。大いに刺激を受けたインタビューだった。

 取材の後で付近を散歩していると、チューリッヒ大学動物学博物館を見つけた。

「比較的最近絶滅した動物」に興味があるぼくは、入口から見える巨大なオオナマケモノ(南米の巨大動物で、1万年前くらい前に絶滅)の復元模型に圧倒された。骨格ではなくて、むしろ復元ぬいぐるみ! なんだあれは。近くで見たい!

 しかし、たまたま閉館日で、中に入ることができなかった。

 非常に悔しくて帰国後に調べたところ、この博物館は、かつて「大洪水で溺れた人間の子ども」だとされて論争にもなったヨーロッパオオサンショウウオ化石の発見者ゆかりのものだった。オオサンショウウオについては一言も二言もあるぼくとしては(例えば、チュウゴクオオサンショウウオの「生息地」を訪ねた連載を参照)、いずれ訪ねるべき場所となった。

 再訪がかなったのは、半年後の11月。まずは展示の公開部分を丹念に見て、博物館の一角を占めるオオサンショウオの展示も確認した。大洪水の証拠と見なされた化石は、日本からシーボルトが生きたニッポンオオサンショウウオを持ち込むことで決着したので、この博物館でも日本で飼育されていた個体の骨格標本を展示していた。ぼくをチュウゴクオオサンショウウオの現地調査に誘ってくれた田口勇輝さんが勤める安佐動物公園についても言及されていた。色々な繋がりがあるものだ。

岡山県湯原温泉の「はんざきセンター」からやって来た骨格標本が公開部分で展示されていた。左手前には安佐動物公園を紹介した雑誌も。(写真クリックで拡大)