「ここはDNA配列を読むシークエンサーと、タンパク質の解析をする機械があって、それを動かしたり、分析するのに、あわせて40人くらいが働いています。次世代シークエンサーを扱うのは専門職で、2年3年で新しい機械が開発されて入るから、常に研修も欠かせないんです。それとは別に大切なのは、いわゆる生命情報学、バイオインフォマティクスの専門家です。次世代シークエンサーで取った膨大なデータを分析するためには生物と情報と両方の知識を持った人が必要で、これがなかなか難しいんです」

 40人規模のゲノム・タンパク質の読み取り・解析センター! チューリッヒ大学とチューリッヒ工科大学の2大学共用なのだそうだが、それにしても日本の大学ではなかなか見られない贅沢な施設だ。それに見合うだけの成果も出しているのだろうし、集積して運用した方が有利になるスケールメリットもあるとみた。

「この部屋に、いくつか次世代シークエンサーがありますね」と実際に機械が稼働している部屋に、あっけなく通してもらえた。

 現在主力となっているイルミナ社のHi-Seqというシリーズで、非常に安定して稼働するため神経質にクリーンルームにしておく必要もないのだとか。

 さて、清水さんらの研究を支える強力なシークエンサーはどんなたたずまいだったかというと、ひとことで言えば「大きな箱」だ。もう少し詳しく表現すると、「冷蔵庫とプリンタとモニタが一緒になったみたいな変な箱」。プリンタを連想したのは、給紙フィーダーのような出っ張りがあって、そこに黒いカートリッジが2つ装着してあったことからの連想だ。もちろん、それはインクジェットのカートリッジではなく、まさに試料が封入されたものだった。それぞれに8つのレーンがあり、透明な液体が満たされていた。

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