第3回 月の動きをもとに行動計画を立てる

 1月下旬から2月頭にかけて、ついに本番の極夜探検の具体的な準備に入った。

 一昨年の冬に極北カナダのケンブリッジベイからケント半島周辺で1カ月ほど、実際に極夜の時期に天測(天体を観測して位置を決める)しながら徒歩旅行し、そして昨年は2月から3月に40日間かけて、グリーンランド北西部のイングルフィールドランド周辺の偵察旅行をおこなった。

 その結果、私は、11月から2月までの極夜の季節にグリーンランドで越冬探検して、明るくなってくる前後にエルズミア島にわたり、カナダ最北部の村グリスフィヨルドに向かうことは可能だと判断し、その探検には3カ月半から4カ月ほどかかるだろうと、なんとなく見込んでいた。そしてその壮大さを思うたびに、4カ月か、実に長いことだなァ、と心のなかで嘆息を漏らしていた。

 しかし、なんとなく思い込んでいるのと、実際に様々な要素を織り込んで計画を立てるのとではやはり違う。具体的な行動計画を立てて分かったのは、これまでの何となくの見込みはかなり現実から外れていたということだった。

 今回の極夜探検が長期にわたることは最初から分かっていたので、春と夏にそれぞれ徒歩とカヤックで食糧と燃料の貯蔵基地をつくることは前から決めていた。しかし、実際にどれぐらいの量をデポするかは、本番の極夜探検の日程を作成しなければ決まらない。

月明かりの野営地。2014年春の予備探検で。