謎の古代文明の遺跡を中米で複数発見、マヤとは別

独占記事:ホンジュラスに伝わるスペイン征服時代からの伝説の文明か

2015.03.05
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「街」どころの規模ではない

 考古学的発見は、実際に地上で調査されなければ確定されない。地上調査隊には、米国とホンジュラスの考古学者、LIDARの技術者、人類学者、民族植物学者、ドキュメンタリー映画製作者、そして支援スタッフらが参加し、ホンジュラスの特殊部隊兵士16人が護衛のため付き添った。ナショナル ジオグラフィック協会も、写真家と記者を派遣した。

 この調査によって、上空からLIDARで撮影された地形が全て確認された。また、さらに多くの新たな発見もあった。そこには確かに、古代都市が存在した。考古学者たちは今では、伝説に語られているような「シウダー・ブランカ」は1つではないだろうと考えている。それどころか、モスキティアにはそのような「失われた街々」が数多く眠っており、これらをすべて合わせると、街などとは比べ物にならないはるかに重要な意味を持つ歴史的遺産「失われた文明」が姿を現すのではないかという。

遺跡現場から見つかった50以上の出土品を文書に記録するアナ・コーエン氏。ワシントン大学で人類学を専攻する大学院生だ。(PHOTOGRAPH BY DAVE YODER, NATIONAL GEOGRAPHIC)

 しかし、遺跡のある一帯に今、大きな脅威が忍び寄っている。遺跡から数10キロほど離れた各地で、牛の放牧のために森林が伐採されているのだ。手つかずだった熱帯雨林が違法に伐採され、焼かれている。この地域は近年、中米でも最大の牛肉生産地として成長し、米国のファストフード産業へ大量の食肉を輸出している。

 探検チームを支援し、現地に数日間滞在したIHAHのディレクター、バーギリオ・パレデス・トラペロ氏は懸念をあらわにした。「すぐにでも何か対策を取らなければ、この森と渓谷は8年後には消滅してしまうでしょう。ホンジュラス政府はこの地域の自然保護に取り組みたいと思っているものの、資金が不足しています。国際的支援が早急に必要です」

盗掘以外に遺跡を脅かすのは、牛の放牧を目的とした森林伐採である。写真は、遺跡現場へ向かう途中に撮影されたもの。山の斜面の木が全て切り倒されているのが分かる。このままでは、あと数年で遺跡のある谷にも伐採の手が及ぶ恐れがある。(PHOTOGRAPH BY DAVE YODER, NATIONAL GEOGRAPHIC)

フォトギャラリー

度重なる雨で、調査チームのキャンプ場は一面泥の海となった。(PHOTOGRAPH BY DAVE YODER, NATIONAL GEOGRAPHIC)
遺跡調査のためジャングルへ入る科学者を先導し、深い藪をかき分けて進む元SASのアンドリュー・ウッド氏。(PHOTOGRAPH BY DAVE YODER, NATIONAL GEOGRAPHIC)
建造物の石を調査するホンジュラス人類学歴史学研究所の考古学者オスカー・ニール・クルズ氏。(PHOTOGRAPH BY DAVE YODER, NATIONAL GEOGRAPHIC)

文=Douglas Preston/訳=ルーバー荒井ハンナ

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