ロッキー山脈の高山帯にすむ動物たちを撮り続けている。1995年4月、ナショナル ジオグラフィック英語版にマウンテンゴート(シロイワヤギ)の写真が採用され、20ページの特集記事が日本版創刊号の誌面も飾った。本誌2015年4月号「写真は語る」に写真を掲載(写真を追加して上のフォトギャラリーに掲載しています)。

 1960年静岡県生まれ。学生時代にはニホンカモシカを研究していた。やがて近縁の「白いカモシカ」、マウンテンゴートに魅了され、1987年からカメラを手にその姿を追い始める。撮影に専念するため、94年にはついに家族とともに米国モンタナ州へ移住した。

 岩登りの名手マウンテンゴートは、強風で雪も吹き飛ぶ尾根の枯れ草を食べて冬を生き延びる。写真家もまた崖にへばりつき、零下30℃の寒風に身をさらしながら、シャッターチャンスをじっと待つ。「ゴートたちの環境への適応ぶりを表現するには、結局のところ、彼らの日常を撮り重ねるしか手立てがないんです」

 氷河とマウンテンゴートを一枚の写真に収めようとチャンスを狙っていたある日、絶好の位置にゴートが現れた。逃がさぬよう、静かにじりじりと接近する。足場はもろく登りにくいが、落石とくしゃみはもってのほか。岩の壁に背中を預けてカメラを構え、最後は運に賭けるしかない。

「立ち上がったゴートが岩の向こうへ姿を消して、あっけない幕切れかと思ったその時、ゴートがひょっこり戻ってきたんです。氷河をバックに、念願のツーショット。特別な思いでシャッターを押しました」


『ナショナル ジオグラフィック日本版』2015年4月号「写真は語る」に、写真を追加して掲載した。