準惑星ケレスの最新画像に謎の白い点

科学者たちの想像を超える不思議な世界が姿を現した

2015.02.19
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これまでで最も鮮明なケレスの画像。正体不明の白い点が複数確認できる。ハッブル宇宙望遠鏡の撮影した最高画質の写真と比べても4倍の解像度で、準惑星の姿を見事に捉えた。(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/UCLA/MPS/DLR/IDA)

 火星と木星の間になる小惑星帯の中で最大の天体である準惑星ケレスの最新画像が届き、科学者たちの想像を超える不思議な世界が姿を現した。

 2月17日に公開された画像を見ると、直径950キロメートルの氷の世界の表面を、クレーターがあばたのように覆い、南極のあたりにはごつごつとした地形が広がり、全体にわたって正体不明の白い点が複数確認できる。

 白い点は氷原だろうとも言われているが、はっきりとしたことは分からず、関係者らの関心を大いに集めている。そのうち少なくとも1つは、ハッブル宇宙望遠鏡が以前撮影した不鮮明な写真にも微かに写っていた。

 NASAのジェット推進研究所(JPL)で、無人探査機「ドーン」の主任エンジニアとミッション責任者を務めるマーク・レイマン氏は次のように話している。「ハッブル望遠鏡では捉え切れなかった部分を、私たちの最新画像は明らかにしています。ドーンがさらにケレスに近づいてデータを集めれば、もっと詳しいことが分かるでしょう。本当に楽しみです」

 今回公開された最新画像は、ケレスから8万6000キロの地点で、2月12日にドーンが撮影したもの。3月6日に、ドーンはケレスの周回軌道に乗り、この天体が何で出来ているのか、地表の下には何があるのかなどを1年かけて調査する。2014年にはケレスから噴出する水蒸気が観測されており、その原因についても調べる予定。

探査のねらい

 比較的大型で水を含むとされているケレスは、小さくて乾いた岩石ばかりの小惑星帯の中ではかなり異質な存在だ。

 そのため一部の専門家は、ケレスがどこか他の場所で生まれたのではないかと考えている。また、周囲の小惑星とは時期がずれて成長したのかもしれないとの見方もある。その謎を解く手がかりとなるのが、小惑星帯のなかではもうひとつの比較的大きな天体であるベスタだ。ベスタは乾燥して塵の多い小惑星で、ドーンが2011年半ばから2012年終わり頃にかけてその周囲を旋回して調査を行っていた。この2つの天体を比較すれば、ケレスの正体に迫ることができそうだ。

太陽系誕生の様子を探る

 ケレスを含む小惑星帯は、45億年前の太陽系誕生当時、太陽がまだ若く、回転するガスや塵から惑星たちが形成されはじめた頃から存在する。ケレスのような天体の中に収められている太古の記録を読み出すことで、こうした初期の時代の様子を知ることが可能となる(関連記事「太陽系 激動の過去」

 太陽系の誕生だけではない。それから数億年後に、太陽系の惑星の大移動が起こったとも言われており、小惑星帯にはその歴史を紐解く手がかりも眠っている。

探査機のその後

 ドーンは、ケレスに到着後1年をかけて準惑星を調査する。その後燃料が切れれば機能は停止し、小惑星の周囲をそのまま旋回し続けることになる。

文=Nadia Drake/訳=ルーバー荒井ハンナ

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