第4回 行って初めてわかったNGO大国インド

――小説の舞台となる場所へ取材に出かけるのは、どのようなタイミングなのでしょう。物語の骨子が決まった段階ですか、それともかなり書き進んでからですか。

 物語をある程度まとめてからですね。
 小説を書いていると、資料や人から聞いた話ではわからないことが出てきます。その土地の空気感とか、そこに住む人の人柄とか体温のようなもの。それはやはり、現地に行ってみないとわかりませんね。

 今回も、物語をかなり書きこんで、終盤に差しかかってからインドへ取材に行きました。あまり早い時期では、現地で何をつかむのかがまだぼう洋としていますから。旅行期間も長くはとれませんし、作品がある程度できてからのほうが、見たいものがはっきりしてきていいんです。

――取材で得たもので、それまでに書いたものを大幅に修正したり、加筆したりということもあるのでしょうね。

『インドクリスタル』では、たとえば先住民族の住むコドリ村の描写は、私が取材で訪れたタンディプール村そのものです。町や村の人々の感触や、鉱業をはじめとする産業のことなどは、取材の成果をかなり入れています。