第18回 朝の目覚め感をよくするには

 当然ながら、脳活動が低い深睡眠(睡眠段階3、4)から急に覚醒すると睡眠慣性が強く出やすい。たとえば寝ついてから1時間後~3時間目あたりは深睡眠の真っ最中で、この時期に急に起こされるとひどい睡眠慣性が生じる。一方、浅い睡眠(睡眠段階1、2)から覚醒したときは比較的短時間で睡眠慣性から回復できる。

 睡眠慣性は昼寝でもみられる。昼休みや仕事の合間、授業中、休日の午後などに軽くうたた寝のつもりが1時間以上寝てしまい、目が覚めてもしばらくボーッとして仕事にならなかった経験はないだろうか。それは昼寝の間に深い睡眠段階にまで入ってしまったためである。過ぎたるは及ばざるがごとし。昼寝も適度に抑えた方が目覚め感がよく効果的なのだ。

 特に若い人の場合には入眠してから深睡眠に至るまでの時間が短いので要注意。30分ほども寝ると半数以上では深睡眠に入ってしまい目覚め感がかえって悪くなる。そのためスマホでタイマーをかけるなどして20分程度の短い昼寝にしておいた方がベターだし、その程度の昼寝でも眠気はかなり解消できる。同じことは長距離運転中の仮眠にも言える。睡眠慣性が長引くような長い仮眠はむしろ危険である。

 テスト勉強で睡眠不足のまま試験に臨むのは仕方がないとしても、試験前にウトウトするのは禁物である。特に数学の試験の場合は要注意。20分程度の居眠りでも目覚めた直後は計算能力が約20%ダウン、50分の居眠りでは35%ダウンするという研究結果もある。学生諸君は試験会場で眠気が出ないように普段からこつこつ頑張っていただきたい。

次ページ:数年以内には心地よく起こしてくれる目覚まし時計が発売!?