だが、中央にのったスペアリブにしろ、直径3センチはありそうなチョリソーにしろ、私からしたらボリューム満点である。肉ばっかりだし、十分満足できると思うが……。実際、最初はコロンビアの一般的なバンデハ・パイサと同じ量で出していたが、ほとんどの日本人が食べ切れず、周りから「もったいない」と言われて現在の量に落ち着いたのだという。

「これじゃケチくさいみたいじゃない。日本人は食が細いのよ。もっと食べないと!」

 怒るステラさんに、思わず「すみません」と謝る。バンデハは「プレート」という意味で、パイサはコーヒーの名産地であるアンティオキア県の町の名前。つまり、もともとはパイサの農園で働く労働者が力をつけるために食べていた定食だった。世界第3位のコーヒー生産を支えているともなれば、肉ばかりなのも量の多さもうなづける。

「おかずは混ぜても、別々でも、食べ方は自由。好きな食べ方でどうぞ」と明さんに言われて、まずはフリホレスと呼ばれる豆の煮込みからいただいた。にんにくのきいた塩味の煮豆で、ブラジルのソウルフード、フェイジョン(第25回参照)とよく似ている。これ、不思議なくらいごはんと合うんだよなあ。

 チョリソーはちょっとピリ辛、スペアリブも味はしっかりとついているが、揚げバナナや目玉焼きと一緒に食べると、まろやかでやさしい味わいになる。一年中暑いアンティオキアのバンデハ・パイサは辛めだが、ステラさんの出身地である首都ボゴタはマイルドで、辛くしたい場合はサルサソースを入れるのだという。

フリホレス(左)と調理用バナナをつぶして揚げたパタコン。フリホレスはバナナとジャガイモのみじん切りを入れてまろやかさを出しているという
チョリソーはペルー産を使っているが、コロンビアではみんな手づくりで、倍の大きさがあるという

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