――『インドクリスタル』、楽しく読ませていただきました。インドに残る前近代的な世界と、最先端技術の開発素材を得るためにそこへ入り込んでいく日本人ビジネスマン。その設定にまず惹きつけられるのですが、内容を簡単にご紹介いただけますか。

 主人公は、甲府のある電子部品メーカーの社長です。彼の会社は中小企業ですが、惑星探査機などの通信機器に用いる超高性能水晶振動子の開発に取り組んでいます。

 その素材に適した高品位の水晶を、インドの小さな村で見つけます。そこは山奥の少数部族の村なのですが、その水晶を村人との直接交渉で日本へ輸出しようと図ることから、大変なトラブルに巻き込まれていくという物語です。

――ロサという名の神秘的な少女が、物語上で重要な役割を担っていますね。

 生き神として育てられた生い立ちを持つ少数部族の娘で、人並み外れた記憶力の持ち主です。

――著しい貧富の差、古い身分制度からくる差別、インドでは最下層ともいえる少数部族の生活。今まで知らなかったインドの素顔を見せつけられた感じがしました。

 国際的にはインドは経済成長を続ける新興国と見られています。しかし、大都市と地方では生活レベルも生活意識もかなり違います。

(写真クリックで拡大)

この連載の次の
記事を見る