音楽×ファッション×社会運動で見えてくるものは?

 世界最高の音楽賞の一つとされる「グラミー賞」。日本時間の2月9日、2015年の受賞者が発表されました。主要4部門のうち、最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀新人賞の3部門を、英国のサム・スミスが受賞。2014年に日本でも大ヒットした映画「アナと雪の女王」の劇中歌「レット・イット・ゴー」が、映像部門の最優秀楽曲賞になりました。

 グラミー賞は、ポップミュージックからジャズやワールドミュージック、映画のサウンドトラックやクラシック音楽までを対象とする幅の広い音楽賞ですが、主に米国で流行したポップミュージックに贈られる賞という印象が強いですよね。お堅くて難しそうな本に見える『ビジュアル教養大事典』ですが、実はこういったポップミュージックも取り上げています。「現代生活」の章の「若者文化」という項目です。

 「若者文化」について、本書では、「世代ごとの変化は激しくても、本質は変わらないもの」と説明しています。そして、世代ごとの特徴をよく示しているのが、「ポップミュージック」「ファッション」「社会運動」の3つの要素。具体的に見てみましょう。

 例えば、1910年代~1920年代は「ジャズ」の時代。外で働く女性が増えたこの時代、フェミニズム(女性解放運動)が活発になり、米国(1920年)や英国(1928年)など多くの国で、国政選挙での女性参政権が認められました。こういった社会運動は、ジャズが演奏されていたナイトクラブや劇場にも影響を与え、エラ・フィッツジェラルドやビリー・ホリデイといった女性歌手が人気を博します。はやりのファッションは、コンバースのスニーカーと短い丈のスカート。ダンスのしやすさを追求した格好です。

次ページ:1950年代は「ロックンロール」の時代