「野生のシンボル、ユキヒョウ」(スティーブ・ウィンター、2008年)

 カメラ機材や撮影技術が進歩すると、それまで撮れなかった写真が撮れるようになります。遠隔操作による撮影は、その最たるものといえるでしょう。用心深い動物に人間が近づかなくて済む遠隔撮影を試みる写真家は、写真の黎明期からいたようです。しかし、以前は機材が重かったり、手間がかかったりして、なかなか難しかったといいます。カメラやフィルム、フラッシュなどの機材が軽量化し、無線を使ったワイヤレス撮影機能が登場したのは割と最近で、90年代以降のことでした。

 夜行性で高地だけに生息し、巧みなカムフラージュで周囲に溶け込むユキヒョウを撮影することは、長い間、動物写真家たちの夢でした。スティーブ・ウィンターはインド北部にあるヘミス国立公園を詳しく調べ、3本のけもの道が集まる場所にカメラと赤外線自動撮影装置、照明をセット。3週間おきにカメラをチェックして3カ月後、夢にまで見た、吹雪の中のユキヒョウの撮影に成功したのでした。

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