「緊迫の一瞬」(カトリオナ・パーフィット、2008年)

 かつて野生動物を撮影する若手の写真家は多くありませんでした。その理由は、野生動物を撮影できる精度の高いレンズやカメラが高額で、手が出せなかったから。その状況が変わってきたのは、1980年代のこと。格安の撮影機材が手に入るようになったのです。折しも1981年には、若手写真家を対象とした『ヤング・ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー』が新設され、さらに1990年には18歳から26歳の写真家の作品を対象としたエリック・ホスキング賞も設立されました。

 この写真は、数少ない若手女性写真家の1人、カトリオナ・パーフィットが撮影したものです。舞台はナミビアの砂漠。ライオンにつきまとわれ、水場を目指していたキリンがパニックを起こしています。こちら側と向こう側にはオリックスが野次馬のように集まり、この様子を見つめています。緊迫した一瞬をとらえたこの傑作で、パーフィットはヤング・ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。

世界一の動物写真

イギリスで50年続く、世界最高峰の写真賞
『ワイルドライフフォトグラファー・オブ・ザ・イヤー』
受賞作品でたどるネイチャーフォトの全記録!

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