第40回 ハワイの伝統料理「ラウラウ」を食べてみた
寒いのが苦手だ。暦の上では立春だが、厳しい寒さが続いている。こんなときはつい、温かいものを求めてしまう。鍋、温泉……いや、いっそ常夏のハワイにでも行ってしまおうか。そんな現実逃避が、今回の魂食紀行のきっかけだった。
ハワイといえば、最近はパンケーキが日本で大人気。ふわっふわの生地に果物や生クリームがたっぷりとかかっていて、甘党にはたまらない一品だ。15年くらい前には、ごはんの上にハンバーグと目玉焼きがのったロコモコが流行った。たびたび日本でブームを巻き起こしているハワイアンフードだが、ソウルフードもパンケーキなのだろうか。そう思って出かけたのが東京・赤坂のハワイ料理の店「オゴ オノロア ハワイ」。常夏気分を味わえることも期待して。
「“ソウルフード”という定義はとても難しいですね」
ハワイアンミュージックが流れる店内。ハワイアンキルトのクッションにもたれてハワイ気分に浸っていると、オーナーシェフのリョウジさんが語りだした。「ハワイは移民の土地。フィリピン系であればフィリピンの、中国系なら中国料理が“ソウルフード”になるので、一概に言えないんですよ」と言う。
アメリカ商務省の国勢調査(2010年)によると、ハワイの人種構成は白人系24.7%、フィリピン系14.5%、日系13.6%、ハワイアン5.9%となり、以下中国系、韓国系と続く。リョウジさんの家は日系で、やはり家庭では和食が多かったそうだ。
「ただ、ハワイの伝統料理はあります。ルアウに欠かせない料理です」
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