真田幸村のお側に仕え寝ずの番をしていた霧隠才蔵であったが、空がうっすらと白み始める夜明け前、疲れから思わずウトウトしてしまった。四半刻(約30分)も経った頃、殺気を感じてハッと目を覚ますも、「ニン、ニン、ニン、忍法金縛りの術、カッー!」と敵方忍者の呪文が聞こえるや否や「か、体が動かん!」と呻き、なすすべもなく倒れ伏した。

 つかのま悶絶していたが、術が解け体を起こせるようになった。「敵はいずこ?」キョロキョロする才蔵の目の前にはあきれ顔で見下ろす同じく幸村配下の猿飛佐助。「居眠りしてんじゃないよ、まったく」 マズイ奴に見つかった……ほぞを噛む才蔵であった。

 ということで、今回のテーマは金縛りである。

(イラスト:三島由美子)(画像クリックで拡大)

 個人的に忍者といえば、古くは仮面の忍者赤影、伊賀野カバ丸、一番熱中した科学忍者隊ガッチャマン、白土三平のカムイ伝シリーズ、大人になってからは忍者ハットリくん、忍たま乱太郎あたりまでは子供に付き合って見たこともあるが、 NARUTOにナルトさっぱり内容が分からない。

 忍法の定番といえば「霧隠れの術」と並んで「金縛りの術」が定番である。「金縛り」はもともと仏教用語で、不動明王が賊を身動きできないようにする密教の修法「金縛法」(きんばく・かなしばりほう)に由来するとのこと。この金縛り、一般用語にもなっていることからも分かるように、決して珍しくない睡眠現象である。

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