第17回 金縛り対策-特に明け方の二度寝にご用心

 調査によってかなりばらつきがあるが一般人の10~40%が少なくとも1回は経験していると言われる。10代後半から20代前半に始まり、女性にやや多い。同じ人で頻繁に起こることもあり、金縛り家系(!)も報告されている。読者の皆さんの中にも1度は苦しい強い思いをされた方がかなりおられると思う。

 典型的な金縛りは次のようなものだ。

「夜中にふと目をさます。目が覚めているとの認識があるが動けない。呼吸はできるが声が出ない。体の上に重しが乗っているような息苦しさ。恐怖感が湧き上がり冷や汗が出そう」 

 とても長く感じるが金縛りは数分程度で自然に治る。金縛りのままもうひと眠りして目が覚めると消えていることもある。約半数では、「枕元に人がいるような気配」を感じたり、目玉は動くので周囲の様子を伺うと「人影が見える」などの幻覚のような体験を伴うこともある。これは怖い。ホラー映画の世界である。

 そこで、金縛りに悩む人のために予防策を1つ。キーワードは「明け方の目覚めと二度寝」にご用心。その理由をご理解いただくには、まず金縛りとは何かを知る必要がある。

 金縛りでは筋肉に力が入らず体が動かせなくなるのが特徴である。といっても筋肉に異常があるのではない。そもそも、金縛りの脱力は私たちが毎晩経験している正常な現象である。普段は脱力中に眠っているので気付かないだけなのだ。脱力は睡眠中のどこで起こっているのかって? それはレム睡眠でしょ!

 このコラムで何度も登場したレム睡眠。ごく簡単に表現すれば、レム睡眠は主に体を休息させる睡眠として進化した。その最も効率的な方法が筋肉の弛緩であるため、レム睡眠中に集中的に脱力が起こるようになった。筋肉に力が入らないのでレム睡眠中には寝返りも打てないほどだ。

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