「ようこそいらっしゃいました。寒かったでしょう」

 そう言って温かく迎えてくれたのはエマミエ・アバサリさん。「ペルシア ツアーリズムグループ」というイラン政府公認の旅行会社の代表を務めるイラン人だ。この日は埼玉にあるエマミエさんの自宅でイラン料理をいただくことになっていた。

 きっかけは昨年秋に開催された旅行関連のイベントだ。新たなソウルフードに出会えないかとイベントに訪れた私は、イラン専門の旅行会社という珍しさに惹かれてエマミエさんの会社のブースに立ち寄った。そこで、エマミエさんから「どの旅行会社のツアーでも必ずといっていいほど食べるイラン料理があるんですよ」と聞いた。

 それはイラン全土で食べられている伝統的な料理であるという。ぜひ食べてみたいと話すと、「私の奥さんがつくるその料理は、友人たちの中でも美味しいと評判なんです」と、なんとご自宅に招待してくださったのだ。

「まずは紅茶で温まってください」と料理上手の奥さん、ナスリンさんが紅茶を入れてくれた。イランでは紅茶がよく飲まれているが、入れ方が独特。茶葉とお湯が入ったポットを、やはりお湯の入ったサモワールという器具の上に乗せて熱と蒸気で蒸らす。トルコやロシアなどにもあるそうだが、蒸らすことで茶葉がひらいて味や香りがよりよく出るのだという。

茶葉とお湯が入ったポットを蒸らすのがイランの紅茶の飲み方。これは日本製だが、イランには専用の器具・サモワールがあり、保温器の役目も果たす

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