第15回 光は「いつ浴びるか」より「浴びた量」 冬季うつのメカニズム

 1990年代に、さまざまな時間帯における光療法の効果検証試験が多数行われた。体内時計(生体リズム)に及ぼす影響は光を浴びる時間帯によって大きく異なるため、どの時間帯の光療法が最も有効であるか知ることは冬季うつの病因論にもつながる関心事でもあった。

 これまでのデータを総合すると、日中いずれの時間帯で行っても光療法の効果はほぼ同等であることが判明している。朝の光療法がベターだという意見もあるが、実際にはさほどの違いはない。光療法の時間に制限がないことは治療を受ける側から見れば福音である。ちなみに夜の光療法はダメ。体内時計を大幅に夜型にしてしまうし、そもそも眠れなくなる。

 光のタイミングよりもむしろ光の量の方が重要だとして、光療法にはどのくらいの強さの光が必要なのだろうか。一般的には2500~1万ルクスの高照度光を用いる。大まかに言えば、照度X(かける)照射時間に比例して治療効果は高くなる。1万ルクスの光を1時間程度浴びると確かな効果が得られる。日常生活で浴びることのできる光照度の目安を付けたので参考にしていただきたい。

曇天でも屋外であれば1万ルクスの照度が得られるが、視線の方向で目に入る光量は大きく変わる。できるだけ明るい日差しの方向を眺めよう!(イラスト:三島由美子)(画像クリックで拡大)

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