第84回 自分の道

 再び訪れたホームステッドには、やはり以前とかわらず、見れば見るほどに奇妙なキャッスルが、そびえ立っていました。

 すでにジムから連絡がいっていたらしく、ウィルに再会すると、「グッド、グッド。よく戻ってきたな」とあたたかく迎え入れてくれました。

 そんなふうにして、またボートハウスに泊まりながら、朝4時に起きて撮影を始め、10時から夕方の5時までは、キャッスルの手伝いをする日々が始まりました。

 でも、前と違ったのは、泊まっていたのがぼくだけではないということでした。

 じつは、そのとき、ウィルの知人たちが何人も、キャッスル建設の応援のために、手伝いに来ていたのです。

 いかにも屈強そうな大工もいれば、家具のデザイナーだという人、あるいは高校の技術の教師をしているという人まで、年齢も仕事もさまざまな友人が集まってきていました。

 彼らは、敷地内にいくつもある空き小屋に散らばって泊まり、ホームステッド自体が、さながら、ひとつの村のような雰囲気でした。

 みんな働き者ばかりで、朝から夕方まで、発電機がまわりつづけ、木工ショップやキャッスルのあちこちから、木材を削る音が響き、空気圧でくぎを打つネイルガンのプシュッ、プシュッという音が聞こえてきました。

 ぼくに最初に与えられたのは、窓についた余分なニスをシンナーで落とす仕事でしたが、それが終わると、今度は大工の1人に教えてもらいながら、床板の下地を張る手伝いをしました。

 そして、ウィルはというと、小型重機のボブキャットに乗って、ゴウゴウとうなるような音をたてながら、石畳用の巨大な岩を運んで、敷地内をいったりきたりしていました。

 昼も夜もきまって、みんなでロッジに集まって食べ、夕食後には、焚き火を囲んで、ギターを取り出して歌い出す人もいて、毎日がパーティーのようでした。

 早朝以外に静かな森歩きはできませんでしたが、ホームステッドにも夏祭りがやってきたかのようで、友だちもたくさんでき、とても楽しい日々でした。

 滞在中、ぼくは、ウィルをみつけて、今後のことを相談しました。