東京マリオットホテルのペストリーシェフ、和田忠士さん。「最初は手探りで大変でしたが、今や日本では、当ホテルの料理人が一番アイスランドの料理に詳しいかも」と笑う。フェアはとても盛況だったそう

 とてもシンプルなドーナッツで、家庭でもよく手作りして作り置きをする。そして小腹が空いた時、ちょっとつまむのだ。「コーヒーとクレイナ」がアイスランドの午後のコーヒータイム定番の組み合わせだという。でも、油で揚げた高カロリー菓子のクレイナ。健康志向の人が増えた最近では、昔ほど食べなくなっているそうだ。

 探検隊としては、ホンモノのアイスランド菓子をどうにか味わいたいと思ったが、「アイスランド料理のお店なんてないよなぁ」と半ばあきらめていた。すると、なんと奇跡的に東京・品川の東京マリオットホテルのレストランでアイスランド料理でクリスマスを楽しむフェアを開催しているのを発見!2013年12月にオープンした同ホテルだが、近隣にアイスランド大使館があることなどが縁で開業1周年記念にこのイベントを開催することになったという。フェアは一部の料理がビュッフェ式でアイスランドのお菓子もたくさんでると聞き、早速、ホテルにお邪魔した。

 お話をうかがったのは同ホテルのペストリーシェフ、和田忠士さん。メニューを監修したのは、国賓をもてなす料理を手がけるアイスランド本国の外務省ファーストシェフ、フリドリック・シーグルズソンさんで、和田さんは彼と一緒にメニューを練り上げたという。

 「アイスランドのフェアを開催するということで、インターネットでまず調べてみたんですが、アイスランドのお菓子ってなかなか出てこないんですよね」と困った顔をする和田さん。そんな中でも、クレイナは真っ先に検索でヒットした同国のお菓子だという。「アイスランドのお菓子は素朴なんです」と出された揚げ菓子には、日本のドーナッツでは見ないカルダモンの粉がかかっていた。しっかりとした生地で確かにシンプルなのだけど、スパイスの香りのアクセントがおもしろい。甘さも控えめで優しい味わいだ。「本来は家庭菓子で、家によってレシピは異なるそうです」と和田さんは教えてくれる。カルダモン風味は、レシピを和田さんに伝授したフリドリックさんならではの味というわけだ。

クレイナ。これは単数形の名称で、フェアでは複数形の「クレイヌール」として紹介していた
東京マリオットホテルのレストラン「ラウンジ&ダイニング G」で2014年12月25日まで開催されたフェアで出されたアイスランド菓子。どれもシンプルながら非常に洗練された味わい。フェアが始まる直前に来日したフリドリックさんは「繊細な仕上がりが日本ならではですね」と話していたという

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