うっ、
なんだか締め付けられるような痛みが頭全体に走って、目が覚めた。
こめかみの辺りがキーンとする。
寝ている間に、頭が寝袋からはみ出してしまって、キンキンに冷え切っていたのだ。
頭髪に触れてみると、それは生き物の毛と思えないほどの冷たさで、まるで冷凍保存された遺体の頭部のようだった。
よくまあ、生きていたものだ……。
体は寝袋に包まっていたものの、手足の先端もまた、血があまり通っていないような感覚がして、急いで手足をこすり合わせた。
寝袋の中と言っても、温かい部分など全くない。
寝袋の内側の生地も服も、ヒンヤリとしている。
体を起こしてみると、外側の繊維には、霜が付着していて真っ白になっていた。
「私たち、生きているわね……」
遠くから聞こえてきた声に振り返ると、トーニャが焚き火の前で木の枝で火を突いているようだった。
「うん、生きてたね……」
私はしみじみそう言うと、すぐさまキーンキンに冷えた頭を寝袋の中にうずめた。
それでも一度目が覚めてしまうと、体がどんどんと寒さを認識していくようで、じっとしているほうが寒さを感じてしまう。
こういう場合は、起きてしまって体を動かし、なにか温かいものでも飲むか食べるかしたほうがいい。
私は躊躇なく、勢いよく寝袋から這い出ると、トーニャの隣に座った。