第2回 飛行機で南極大陸へ

ケープタウン空港で出発を待つイリューシン76TD。

南極行きイリューシン76TD

 搭乗ゲートで我々を乗せたバスは、様々な飛行機の横をひたすら通り過ぎ、空港の建物からどんどん離れていった。やがて駐機場の最果てと言わんばかりのエリアに着くと、これまで横目に見てきた他の飛行機とはちょっと様相を異にする機体が停まっていた。南極行きの航空機イリューシン76TDだ。

 客室に窓がなく、コックピットの足元にたくさんの窓、なんだか丸みを帯びた馴染みのないフォルムをしている。バスを降りると、イリューシンの前には搭乗前に預けた全員分のかばんがズラリと並べられていた。これらのかばんの中には防寒着が入っている。機内に持ち込み、南極に到着する前にみな、服を南極仕様に着替えるのだ。

 搭乗者は全部で66名。南極の夏の間だけ運航するこの飛行機の今シーズン第1便目のフライトなので、設置されたシートは満席だった。そのうち科学者は、私たちアンターセー湖調査隊の6名と、インドが保有するマイトリ基地へ向かうインド人10名だけ。残り約50人は、ノボラザレフスカヤ基地の設営関係者や航空会社スタッフ、観光ツアーの参加者、冒険家という面々だった。

 イリューシンに乗り込むと、運良く私は一番前の席。機内は天井が高く、各国の国旗がずらりと並び、そして今までに見たことのないような年季の入った雰囲気を醸し出していた。見渡してみると、5日間の待機後かつ今シーズン初のフライトということも相まってか、66人分の熱気と高揚感が機内に充満しているような気がした。多分これは単なる私の勘違いではないと思う。