都会の虫、廃棄食物の処理に貢献

嫌われ者たちの“良い仕事”ぶりとは?

2014.12.05
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動物たちは人が捨てた生ごみを食べ、都市の美化に貢献している。 (Photograph by Timothy A. Clary/AFP/Getty)

 最新の研究によればアメリカ、ニューヨーク市の1地区だけで毎年、ホットドッグ6万個に相当する生ごみを虫たちが食べているという。

 ニューヨークでは(また、おそらく他の土地でも)地面に捨てられた食べ物の多くを昆虫やクモが後始末している。ホットドッグ、ポテトチップス、クッキーといった虫が好む食べ物をニューヨークの公園や道の真ん中に捨て、ヤスデやアリ、ゴキブリがどれくらい食べるかを確かめる実験が行われた。その結果、虫たちは驚くほど“良い仕事”をしていることがわかった。

 具体的には、ブロードウェイ沿いのある1地区だけで、年間950キロの捨てられた食べ物を虫たちが後始末している計算になるという。ホットドッグに換算すると6万個分だ。

 ノースカロライナ州立大学の昆虫学者で、この実験を主導したエルザ・ヤングステッド(Elsa Youngsteadt)氏は、「もし虫たちが食べていなければ、生ごみだらけになっているはずだ」と話す。

コンクリートジャングルの虫たち

 その環境が“野生”か都市かにかかわらず、生態系における動物たちの役割が変わらないことはすでにわかっている。アリやヤスデなどの節足動物が小さな食べ物をあさって暮らしていることから、ヤングステッド氏は、都市に捨てられた食べ物も同じようにあさっているかどうかを知りたいと考えた。

 そこでニューヨーク、マンハッタンの代表的な都市公園と草が生い茂る中央分離帯に注目した。マンハッタンの一部は2012年のハリケーン・サンディによる洪水の被害を受け、生物多様性が変化した可能性があるため、洪水の被害を受けた場所と受けていない場所を半分ずつ選んだ。

 ヤングステッド氏の予想通り、中央分離帯より公園の方が節足動物の数が多かった。洪水の被害を受けた場所と受けていない場所に違いは見られなかった。

 どれくらいの節足動物が暮らしているかがわかれば、どれくらい食べているかを測定できる。ヤングステッド氏らはすべての場所に小さなおりを置き、その中にホットドッグ10分の1、ポテトチップスとクッキー1枚ずつを入れた。節足動物は食べ物にあり付くことができるが、鳥やネズミなどはおりに入ることができない。

鳥やネズミに食べ物を与えてみると

 次に、同じ量の食べ物をそのまま地面に置いた。こうすることで、その場所に暮らすすべての動物がどれくらい食べるかを知ることができる。

 実験の結果、ケージに入った食べ物は24時間で32%減少していた。ヤングステッド氏らの予想をはるかに上回る数字だ。地面にそのまま置いた食べ物は80%が消えていた。

 食べ物の好みもわかった。ヤングステッド氏によれば、節足動物は間違いなくホットドッグよりポテトチップスやクッキーが好きだという。

 また、理由は定かではないものの、公園に暮らす節足動物より中央分離帯の節足動物の方がはるかによく食べることもわかった。

 この研究結果は12月2日付で「Global Change Biology」誌に掲載されている。

文=Carrie Arnold

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