Ostreidae
フジツボで覆われたカキ
Photograph by George Grall
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早わかり

分類: 無脊椎動物
保護状態: なし
食性: 肉食
寿命: 飼育下: ~ 20 年
体長: 8 ~ 36 センチ

ティーカップとの比較

分布

プロフィール

 「これを最初に食べた人はよほど空腹だったのだろう」と思わせる食べ物は世界に数多くある。しかし見た目や全体の不快さで言えば、生ガキに勝るものはそうないだろう。カキを初めて食べた人は、空腹のせいで、ごつごつとした岩のような硬いカキの殻にもひるまなかったのかもしれない。その後、カキのふっくらとした身と、灰色でどろどろとした粘液質の外観にたじろいだはずだ。しかし、最初の拒否反応を乗り越えてしまえば、カキの繊細な歯ごたえと、豊かな風味、そして塩味の効いた汁の美味しさに驚いたに違いない。カキはカルシウム、鉄分、たんぱく質を豊富に含む。万人に好まれる食べ物ではないものの、生ガキやカキ料理は何千年にもわたって世界中で楽しまれてきた。

 食用のカキも真珠を生成することができるが、同じ二枚貝の仲間で異なる科に属するアコヤ貝(真珠貝)と混同してはいけない。イタボガキ科に属するカキは世界中の海洋に生息し、通常は浅瀬で、ベッドあるいはリーフと呼ばれる群になって生息する。最も人気があって漁獲高の多い種は、カナダからアルゼンチンにかけての大西洋海域に生息するアメリカガキ(バージニアガキ)と、日本からワシントン、そして南はオーストラリアにまで生息するマガキである。

 カキの殻は通常は楕円形、または洋ナシのような形をしているが、着生する場所によりさまざまな形に変わる。殻の表面は一般的に白っぽい灰色で、内側は磁器のような白い色をしている。閉殻筋は非常に強く、危険を感じると殻を閉じる。エラから絶えず水を取り込み、その水から藻やそのほかの食物を取り出して食べる。海水が温かくなると放卵して繁殖する。生涯に1回から数回、性転換する。

 ほとんどの生息地でカキの商業漁獲には制限が設けられている。現在のところ絶滅が危惧されている種には指定されていない。しかしカキは水質に敏感で、海岸汚染の影響を受けやすいため、かつては豊富に生息していた多くの地域においても減少、あるいはまったくいなくなっている。また、体内に毒素を溜めるため、食用とするには危険な場合もある。

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