Acipenser fulvescens
ミズウミチョウザメ
Photograph courtesy Zeb Hogan
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早わかり

分類: 魚類
保護状態: -
食性: 雑食
寿命: 野生: 55年(オス)、150年(メス)
体長: 2メートル
体重: 最大90キログラム
ミズウミチョウザメは1億3500万年以上前から存在している魚種で、「生きた化石」と呼ばれることがある。

成人男性(180cm)との比較

分布

プロフィール

 ミズウミチョウザメは流線型の体でその両側には骨質のウロコが並んでいるため、まるで装甲した魚雷のように見える。体色は緑がかった灰色をしており、尖った鼻先にはヒゲのような2本1組の触覚器官が口元から2組垂れ下がっている。この器官は触鬚(しょくしゅ)と呼ばれ、巻き貝、二枚貝、昆虫の幼虫、魚卵といった底生のエサを探し出すのに役立っている。

 淡水に住むミズウミチョウザメの成魚は非常に大きく、体長2メートル超、体重約90キロにもなる。極めて長命でもあり、オスは55年ぐらい、メスは最長150年も生きる場合がある。

 ミズウミチョウザメはその名に添わず湖だけでなく川にも生息しているが、海へ移動することはできない。分布域は北アメリカの五大湖、ハドソン湾、そしてミシシッピ川水系全域と非常に広範に及び、カナダからアラバマまでを生息範囲としていたが、乱獲により大打撃を受け個体数が激減している。

 また、かつては漁具を傷める厄介者として処分されていたが、その肉と卵が珍重されるようになると、今度は漁の対象となった。1879年から1900年の間、五大湖のチョウザメ漁では年平均1800トンが水揚げされていた。

 当時の歯止めのない乱獲と水質汚濁といった環境破壊が重なれば、個体数が激減するのは当然の結果だ。毎年春になってチョウザメが故郷の川へ産卵に戻ると、ダム建設によって支流が遮断されていたり、農業や製材業から出た土壌浸食の沈泥によって産卵場所となる浅瀬が消滅していたりという事態が、ますます状況を悪化させた。

 20世紀にはチョウザメの漁獲量が激減して規制が強化され、チョウザメ漁業は事実上の終幕を迎えた。現在は、元々の生息域であるアメリカ国内20州のうち19の州で絶滅危惧種または絶滅危機種に指定されている。

 しかしながら近年になって、この巨大魚はちょっとした復活を果たしている。五大湖の環境問題を改善する懸命な努力が状況を好転させ、集中的な保護努力によって世間はチョウザメに関心を寄せ始めたのだ。

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