タイセイヨウクロマグロ

Thunnus thynnus
エサを食べるクロマグロ
Photograph by Brian J. Skerry
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早わかり

分類: 魚類
保護状態: 絶滅危惧
食性: 肉食
寿命: 野生: 15 年
体長: 2 メートル
体重: 250 キログラム
2001年1月、201キロの極上クロマグロが、日本の魚市場で世界最高記録の2020万円で売却された。

成人男性(180cm)との比較

分布

プロフィール

 タイセイヨウクロマグロは、世界で最も巨大で速く、美しい色を持つ魚の一種である。その魚雷のような流線型の体はスピードと持久力に対応できるよう作られている。クロマグロは、体を擬態するために、上部はメタリックブルーで下部はかすかに光るシルバーホワイトをしている。旺盛な食欲と多様なエサにより、平均体長2メートル、体重250キロにまで成長し、さらに大きい個体も珍しくない。

 クロマグロは常に大量の小魚や甲殻類、イカ、ウナギなどを捕食することでその巨体を維持している。クロマグロは、動物性プランクトンやほかの微小な有機物を濾過して摂取し、また海草も食べることも確認されている。記録されている過去最大のクロマグロはカナダのノバスコシアの沖合で捕獲されたタイセイヨウクロマグロであり、重さは676キロもあった。また、クロマグロの身は非常に美味で食用としての需要が大きく、そのために生息域における乱獲がその数を深刻なまでに減少させている。

 タイセイヨウクロマグロは、魚類では珍しい恒温動物で、カナダの東海岸に位置するニューファンドランド沖やアイスランド沖などの低温の海中でも快適に過ごすことができる。また同時に、毎年産卵のために回遊するメキシコ湾や地中海の熱帯海域でも快適に過ごせるのである。クロマグロは最も活発に回遊する魚で、毎年数回にわたり北アメリカ海域からヨーロッパ海域にかけて回遊することが観測されている。

 クロマグロは、三日月形の尾ビレを使って時速70キロの速さで泳ぎ、その力強さとスピードから、釣り人たちに愛されている。背ビレと胸ビレを畳んで水の抵抗を少なくする。その尾に並んだ小さなヒレも水の乱流を抑制すると考える科学者もいる。

 人間は何世紀にもわたってクロマグロを食べてきた。そのため1970年代には、その需要と価格が上昇した(特に日本)。商業漁業は、クロマグロを捕獲する新しい方法を開発した。その結果、特に大型のクロマグロや、繁殖期のマグロが激減し、国際的保護活動により漁獲量が制限された。それにもかかわらず行われている違法操業が、ヨーロッパにおけるタイセイヨウクロマグロの生息数に影響を与え、絶滅の危機に追いやっているという。
 
 

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