カラチョウザメ

Acipenser sinensis
水族館のカラチョウザメ
Photograph courtesy Zeb Hogan
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早わかり

分類: 魚類
保護状態: 絶滅危惧
食性: 肉食
寿命: 野生: 50~60年
体長: 最大5メートル
体重: 最大450キログラム

バスとの比較

分布

プロフィール

 カラチョウザメは旅慣れた遡河回遊魚だ。毎年、繁殖のために東シナ海から揚子江の産卵場所まで往復約3500キロの旅に出ている。しかし近年は、1980年代に建設された葛州覇(かっしゅうは)ダムによってこの古くからのサイクルが妨害されている。葛州覇ダム以降も後続のダムが次々と建設されたため、カラチョウザメの遡上経路が遮断され、従来の産卵場所までたどり着くことができず、種の存続が危ぶまれている。

 また、行き交う船の増加、漁業の乱獲、水質汚濁によっても揚子江の生息環境は著しく悪化し、この怪獣のような魚に大きな打撃を与えている。一部の科学者は、生息個体数は1000を下回っている可能性も大いにあると警告している。

 カラチョウザメは、体長5メートル、体重450キロを超える大きな個体例もあり、非常に大きく成長することがある。体つきはまるで先史時代のサメのようで、胸ビレは大きく、鼻先に丸みがあり、背骨と横腹に沿った隆起部分が際立っている。

 中国当局はカラチョウザメ保護のために、漁期を短縮したり、代わりの産卵場所として葛州覇ダムの下流に保護区を設けたりしている。また、個体数を回復させるために人工孵化した数百万匹の稚魚を故郷の川に放流するという試みも行っている。しかし、いまのところそれほど成果は上がっていない。

 絶滅の危機に瀕してはいるが、それでもチョウザメの遺伝子には生存の能力が残されている。おそらく1億4000万年も前から揚子江に生息しているとされ、恐竜時代の遺物として「生きた化石」と呼ばれることもある。

 カラチョウザメは環境の変化に既に適応し始めている可能性があるという報告もある。あまり豊富ではない二枚貝などの底生生物から、もっと数の多いミミズなどの地虫へと食性が変わってきているという調査結果もその能力を証明している。

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