メキシコサラマンダー(アホロートル)
Photographed at Detroit Zoo in Michigan
Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark
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分類: 両生類
IUCNのレッドリストによる
危機の評価: 近絶滅種
食性: 肉食
寿命: 野生: 10 ~ 15 年
体長: 最大 30 センチ
体重: 60 ~ 227 グラム
メキシコサラマンダーは、体の一部を失ってもそれを再生する機能を持っている。そのために世界で最も研究されているサラマンダーと言える。
ティーカップとの比較
分布
プロフィール
メキシコサラマンダーはアホロートルやウーパールーパーとも呼ばれるサラマンダーの仲間だ。幼生の特徴を保持したまま成熟するという珍しい特徴を持つ。これはネオテニー(幼形成熟)と言い、オタマジャクシのように体の大半を占める尾と頭の後ろから生えている羽状のエラがついた状態を指す。
メキシコサラマンダーはメキシコ市近くのソチミルコ湖とその周辺にのみ生息し、ほかのサラマンダーと違って一生を水の中だけで過ごす。極めてまれに、成体になって水から上がることもあるが、ほとんどはソチミルコ湖と周辺の運河にとどまる。
タイガーサラマンダーの仲間であり、体長は30センチに達する個体もあるが、平均的な大きさは15センチほどだ。体の色は黒か茶色のまだらが主だが、アルビノや白色系も多少見られる。特に捕獲され、標本になったものに多い。
メキシコサラマンダーの寿命は長く、15年ほど生きる個体もある。エサは軟体動物やミミズ、幼虫、甲殻類、魚などである。生息域にそれまで天敵はいなかったが、湖に大型の魚類が放たれたため、それが天敵となった。サギなどの捕食性の鳥もメキシコサラマンダーにとっては天敵だ。
近くのメキシコ市からの排水が増加したため、ソチミルコ湖が汚染され、メキシコサラマンダーの数は減少している。ペットとしての人気が高いこと、メキシコでは焼いたメキシコサラマンダーが珍味とされていることが、個体数の減少に拍車をかけており、現在絶滅が危ぶまれている。