トビヘビ

Chrysopelea
空を飛ぶトビヘビ
Photograph by Jake Socha
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早わかり

分類: 爬虫類
保護状態: なし
食性: 肉食
体長: 最大 1.2 メートル
パラダイストビヘビは、最小の体にして最高の滑空術を持つヘビだ。空中を100メートル飛んだという記録もある。

成人男性(180cm)との比較

分布

プロフィール

 空中を飛ぶヘビなどというと、ホラー映画の中の話だと思うかもしれない。しかし南アジアと東南アジアのジャングルには、トビヘビが本当に実在するのだ。しかし、「トビヘビ」という名前には語弊がある。というのも、トビヘビは強い上昇気流にでも乗らない限り自ら飛び上がることはできないからだ。彼らは落下するときのスピードを利用して、体を波打たせて空気抵抗を増し、揚力を生み出すことで滑空する。

  かつては、滑空ではなくパラシュートのように落下するのだと考えられていた。しかし、この手足もなくチューブのような体をしたヘビが落下状態を操縦していることが、最近の調査で明らかになった。彼らは跳躍に向けてまず枝の先まで登り、ぶら下がってアルファベットのJ字の形になる。そして下半身を使って枝からジャンプする。それから素早く体をS字に曲げ、胴の幅を通常の2倍に広げて、丸い体の真ん中をへこませC字の形にして空気をとらえる。体を波打たせて方向転換することもできる。同じように空を飛ぶ哺乳類のムササビと比べると、トビヘビの技術は凝っているかもしれない。

  インド西部からインドネシア諸島にかけて、5種類のトビヘビが確認されている。野生での生態はあまり分かっていないが、主に木の上で生活し、林冠から降りてくることはほとんどないと考えられている。最も小型のものは体長約60センチで、最大のものは1メートルにまで成長する。生息地域によってエサは異なるが、ネズミ類やトカゲ、カエル、鳥、コウモリなどを食べる。弱い毒を持つが、キバは小さく奥のほうにあるので人間にはほとんど無害だ。

  トビヘビが飛ぶ頻度や目的は明らかになっていないが、敵から逃げるためや木から木へと移動するときに地上に降りる手間を省くため、また獲物を捕らえるために飛ぶのではないかと考えられている。

  トビヘビの一種であるベニトビヘビは生息域内の個体数が少ないとされているが、それ以外の種の生息数はかなり多く、特別な保護を必要とする状況にはない。

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