分類: 哺乳類
IUCNのレッドリストによる
危機の評価: 近危急種
食性: 肉食
体長: 頭胴長 38 センチ; 尾 13 センチ
体重: 1.4 キログラム
成人男性(180cm)との比較
分布
プロフィール
カモノハシは自然界で最も奇妙な動物だ。事実、最初にこの動物の標本を目にした科学者は、違う動物をつなぎ合わせた偽造標本ではないかと疑った。カモノハシについて説明するには、よく知られたほかの動物にたとえるのが一番わかりやすいだろう。水かきのついた足とクチバシはアヒル、しっぽはビーバー、胴体と毛皮はカワウソといった具合だ。オスはうしろ足のかかと部分に鋭い毒針を持っており、敵に猛毒のキックを見舞うことがある。
前足で水をかき、うしろ足とビーバーのようなしっぽで舵を取りながら優雅に泳ぎ、水中で狩りをする。皮膚のひだが目や耳に水が入り込むのを防ぎ、鼻孔も防水性のある膜でふさがれる。このようにして水中を1~2分間泳ぎ、敏感なクチバシを使ってエサを見つける。
陸上での動きは水中よりややぎこちないが、水かきが格納されてツメが出るので走ることもできる。また、ツメと足を使って水辺に泥の巣穴を作る。
オーストラリアに暮らすこの哺乳類は、水の底から昆虫や幼虫、貝、ミミズなどをクチバシですくい上げる。すくったものはすべて口の中にため、水面に出てから砕いて食べる。カモノハシは歯を持たないため、一緒にすくった砂利が食料を小さく砕くのに役に立つ。
繁殖の仕方も非常に独特である。哺乳類だが卵生で、通常1~2個の卵を産み、体としっぽの間に挟んで温める。卵は10日ほどで孵化するが、生まれたての子どもは2センチほどの大きさしかなく非常に頼りない状態である。母親は子どもが自力で泳げるようになるまで3~4カ月間面倒を見る。
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