第38回  まるで異国!アメ横の多国籍食品街

 続いてフィリピンのスープ「シニガン」をつくってみた。フィリピン人の友人、ネネさんにつくりかたを聞いたところ、具材を煮てスープの素を入れるだけでいいようだ。最近はフィリピンでもスープの素を使うのが主流なようで「簡単だし、野菜がたくさん食べられるのがいい」とネネさん。具は地方によって異なり、野菜はその土地で採れるものを使うことが多いそうだ。今回はエビと大根、オクラ、タマネギ、トマトなどを入れた。

 グツグツと煮立ったシニガンを味見すると、すっぱい……。エビや野菜の旨みが出ているものの、けっこうな酸味だ。シニガンはすっぱいスープだった。「フィリピンは暑いし、炒め物やココナッツを使った油っぽい料理が多いので、さっぱりしたシニガンが人気なんです」とネネさん。タマリンドやライムなどの果実が酸味の秘密らしい。「私は月に2回ほどつくります。たくさんつくって2~3日食べる。2日目が味がしみこんで美味しいですよ」

 最後に臭豆腐。軽快にフタをくるりとまわしたTさんがいきなり、「くっさー!!!」と叫んだ。その瞬間、下水道のような、何かが腐敗したような臭いが脳天を貫く。「なんだこれーー、食べ物の臭いか!?」。いい大人が大騒ぎである。

 要するに発酵食品なのだが、家の中に臭いが充満し、もはや鼻を洗濯バサミで止める事態。とてもこれでは食べられない。インターネットで検索すると「揚げる」と書かれていたので揚げてみた。揚げバナナのように変わるだろうか。しかし、どろどろの豆腐は揚げることでさらにどろどろし、台湾で見た臭豆腐とはまったく違う。こうなったら仕方がない。意を決して口に入れる。

シニガンは水にスープの素を入れて食材(左)を煮込むだけ。1袋で2リットル分つくれる。ネネさんは骨付きの豚肉を入れることが多いそうだ
灰色の液体にブロック状の豆腐が入っている。かたさは絹豆腐くらいだが、とにかく臭いが強烈
素揚げして甘酢のタレをかけ、台湾の屋台で見る臭豆腐のようにしてみたが……