第38回  まるで異国!アメ横の多国籍食品街

新井商店の新井さん。昔は魚や肉、漬け物を中心とした店だったそうだ

「うわー、カエルの肉も売ってますよ!」と前を歩いていたTさんが驚く。どれどれと見に行くと、隣で長ネギのような野菜を手に取る女性。何の野菜か尋ねると、「パンダンリーフというハーブですよ」とフィリピン出身のMさんは教えてくれた。「お米に入れて炊くといい香りがするんですよ。ほかではあまり手に入らないので買いにきたんです」

 パンダンリーフはほんのりと甘いにおいがした。そういえば、アマンダさんも「パンダンリーフがなかなか手に入らない」と言っていた。ほかにもちまきに使ったりと、フィリピンやマレーシアではよく使うハーブのようだ。「ここはフィリピンの食材が豊富。神奈川に住んでいるので月に1度くらいだけど、いろいろ買い込んでいくんです」

 そう言って、Mさんは魚やバナナ、フルーツ缶などを次々とカゴに入れていく。「今日はブコサラダをつくるのよ」とMさん。ブコとはココナッツのことで、ブコサラダはココナッツといろいろなフルーツを生クリームやコンデンスミルクで和えたもの。サラダというよりデザートのようだが、フィリピンではとてもポピュラーな食べ物らしい。

「ふだんもよく食べるし、正月とか特別な日にもつくります。仕事で疲れた後に食べると最高! ここはココナッツもあるし、ナタ・デ・ココの瓶詰めもいろいろ揃っているので、遠くても買いにきちゃうんです」と言って、緑色のシロップに入ったナタ・デ・ココをカゴに入れた。ずいぶんとにぎやかな色のサラダだ。

「青森や福島から来るお客さんもいますよ」と、その食材店「新井商店」の新井一博さんが教えてくれた。この店は全国的にも有名なのだ。新井商店では主にフィリピン、タイの食材や調味料を扱っている。売れ筋商品を尋ねると「シニガンが人気ですね」と新井さん。フィリピンで全国的に食べられているスープの素だというので購入してみることにした。

自然着色料としても利用されるパンダンリーフ
ブコサラダなどに使うフルーツ缶や瓶詰め。右から2番目がナタ・デ・ココの瓶詰め