さて、プルジャさんはもう一つ、ネパールでポピュラーなおやつを紹介してくれた。「チウラ」という食材を使ったおやつだ。チウラは、玄米を水に何時間も浸して水切りした後、火でから煎りしつぶしたもの(玄米を蒸して作る場合もあるらしい)。「手作りのチウラの方が美味しいんだけど、専用の道具が必要で手間もかかるので、基本的には売っているものを買いますね」という。「使うお米によってチウラの味が変わるんですよ。水によっても味が違う。紫のお米のチウラは美味しいの。粒が丸くて、つぶしたときの形が可愛いんです」と、彼女は満面に笑みを浮かべた。

 チウラは、カレーをかけたりネパールのお漬物アチャルと一緒に食べたりする。おやつにするときは、ヨーグルトを使ったソースと一緒に食べるのだという。「沸かしたミルクにヨーグルトを合わせるんです。これとチウラを混ぜて食べるの。ヨーグルトだけでもいいけど、少し酸っぱいでしょ」。プルジャさんがそういってソースの準備をしてくれている間に、出してくれた大根のアチャルと一緒にチウラを食べてみた。

 チウラを口に入れると、パリパリポリポリ。食感がとても楽しい。好きな人はスナック感覚でこれだけ食べるそうだ。チウラを揚げたスナックもあるという。「硬いけど、自然なお米の甘味があって美味しいでしょう」と厨房からカウンター越しにプルジャさんの声。大根のアチャルとの相性も抜群で、ターメリックなどの香辛料を使っているにもかかわらず、このお漬物がまた、どこか日本風。初めて食べるものなのに、お祖母ちゃんの手作り田舎料理のようだ。

 そうこうしているうちに、ヨーグルトソースが出来上がった。「現地の人は、手でチウラとソースを合わせて食べるんです」とプルジャさんは教えてくれたのだが、どろっとしたソースをパラパラとしたチウラに手でつけて食べるのはうまくいかない気がして、まずはチウラをソースの中に入れ、スプーンですくって食べてみた。とてもシンプルなおやつだけど、チウラのパリパリ食感が、とろんとしたソースの中でアクセントとなり想像した以上に美味しい。ヨーグルトにミルクが入っているので、ソースはマイルドな酸味でふんわりとした乳の甘さのある味わいだ。でも、たっぷりとしたソースの中に入れると、チウラがすぐにしんなりしてきてしまうことを発見。

チウラ。薄~く押しつぶされていて、パリパリとした食感
大根のアチャル。塩・レモンでもんだ大根にターメリックなどの香辛料を和えたもの。なぜか日本の田舎の風景が思い浮かぶような味
チウラをヨーグルトソースに混ぜたもの。チウラがパリパリとしているうちに食べるのが美味しくいただくポイント

この連載の前回の
記事を見る

この連載の次の
記事を見る