第6回 海底に沈む遺跡を究める「水中考古学」に刮目せよ!

「ダイビングスポットのすぐ隣に、遺跡があるんです。ほとんどのダイバーは知らないんですが、四爪錨といって先が4つに分かれてる錨がみつかったんです。それも7点同時です。これ、本州なんかでは近世以降によくあって、資料館とか行ってもどこでも転がってるようなやつなんですけど、沖縄では1点もなかったんですよ。それも大きいものですと2メートルぐらい」

 琉球の船は四爪錨を使っていなかった可能性もあり、中国の船か薩摩の船かと想像される(異論はある)。

石垣屋良部沖遺跡の陶器壺群の調査風景。水中ロボも使う(左)。(撮影:山本遊児)(写真クリックで拡大)

 沖縄の場合、文化財として登録されているのは屋良部沖だけではなく、今も続々と増えているそうだ。小野さんも、東海大学の同僚が開発した小型水中ロボットを使って調査をしたり、また、高校生の見学イベントに水中ロボットを提供して実際に操作してもらったり、アカデミックな面ともう少しカジュアルで観光方面にもつながる試みをしている。

 さらに博物館との連携もよく、沖縄県立博物館・美術館にて「水中文化遺産~海に沈んだ歴史のカケラ~」という特別展(2014年の11月から)に協力していたり、様々な方面で進展がある。今後、沖縄は、良い按配のモデルケースになりそうだ。学科の学生さんにも、水中考古学にロマンを感じる人が多いこともあり、小野さんは多くの研究時間をこの方面に割くことになるかもしれない。従来のオセアニア研究ももちろんどんどん続いていくわけだが、部分的な方向転換にも思える。

 では、これまでの遺跡研究と、こういった水中考古学はどのようにつながるのか。つながりそうで繋がりにくいのではないかという気もして、問うた。

水中ロボットの制作現場(左)と、比較的小型の水中ロボ(右)。(写真クリックで拡大)