長生きするために、何を食べるか

 人が今のように70歳や80歳まで普通に生きるようになったのは最近のこと。それまでの人類の歴史の大半において、寿命は20代後半から30代前半くらいまでだった。とはいえ、どの時代でも長生きした人はいた。哲学者ジョン・ロックは1681年に、英オックスフォード大学のアリス・ジョージとの会談を記録しているが、彼女は108歳だったといわれている。ジョン・ロックによれば、健康状態は良好で、針の穴に糸を通せるくらい視力もあり、主にパンとチーズとビールを食べていた。

 アリスは長命の家系に生まれた。ロックによれば、彼女の父は83歳、母は96歳、祖母は111歳まで生きたという。アリスは恵まれた遺伝子の家系に生まれたということだ。

長寿が集まる地域ブルーゾーン

 人の寿命はおよそ20~30%の割合で、遺伝的な要因に左右されると考えられている。残りは、環境やライフスタイル、たとえば運動や食事といった要因が混ぜこぜになっている。
 世界には、こうした要素が理想的に組み合わさり、長く、幸せに、かつ健康に生きられるとされる地域がある。人口統計学者のミシェル・プーランとジョバンニ・ペスが「ブルーゾーン」と名付けた地域だ。

 ブルーゾーンとして知られているのは、たとえば、イタリアのサルデーニャ島、日本の沖縄、カリフォルニア州ロマリンダ、コスタリカのニコヤ半島、そしてエーゲ海北部にある、ギリシャのイカリア島である。イカリア島の住民は、90歳代の人の割合が、地球上で最も高い。3人に1人のイカリア島民は、90歳代まで生きるのである。

 ブルーゾーンの住民はなぜ健康な老年期を迎えられるのか、研究者のみならず、あらゆる人々が知りたがっている。

 ところが実際は、何も特別なことはしていない。ブルーゾーンの住民は、小さく、お互いに助けあうコミュニティで暮らしている。良質な睡眠をとり、朝起きたいときに起き、午後には昼寝もする。彼らはタバコを吸わず、適度な運動をする。ジムで無理やり運動する人はいない。庭仕事をして、郵便局や地元の商店まで歩き、階段を上る。彼らは家族や友人と密接な関係を保っている。

 では、彼らは何を食べているのだろうか?