第37回  巨大鍋でつくる ウズベキスタン男の料理

巨大なカザン鍋でつくるプロフ。底にたまった油がすごいが、これが美味しくつくるポイント(写真=ウズベキスタン大使館)

 そう、実は名前を聞いたときから気になっていた。「プロフ」と「ピラフ」、そして食材を炒めて米を入れ、水またはスープで炊くというつくり方もとても似ている。いまや世界的に食べられている「ピラフ」はフランス語だが、ルーツはトルコ料理の「ピラウ」にあるとされている。だが、諸説あるものの、その語源はサンスクリット語にあり、「プラーカ」というインドの古代料理にまでたどりつくという。

 同様の料理をインドやパキスタンでは「プラオ」、アフガニスタンでは「パラオ」、中国の新疆ウイグル自治区では「ポロ」と呼ぶ。つまり、インドからシルクロードによって料理が伝わり、その土地の食材を使ってアレンジされていくうちに名前も変化し、サマルカンド、つまりいまのウズベキスタンでは「プロフ」と呼ばれるようになったと考えられる。

 さらに、ウズベキスタンの大使館関係者から「紀元前4世紀にアレクサンドロス3世がサマルカンドを攻略したときの歓待にプロフが出された」という話を聞いた。もはや言い伝えの域ではあるが、長い歴史を持ち、ウズベキスタン人が大事に思っている食べ物であることは間違いないようだ。その証拠に、プロフは結婚式や誕生日などのハレの日にも欠かせない。

「結婚式では男性がプロフをつくります。ウズベキスタンにはカザンという中華鍋のような鍋があるんですが、結婚式にはだいたい500~600人の人が参列するので、両手を広げたぐらいの大きさのカザンを用意する。そして朝早くから、お米だけでも40~50kg分はあるプロフをつくるんです。大変な力仕事ですから男性の役割になったのでしょう。式場を訪れた人はまずプロフが振る舞われます」