第37回  巨大鍋でつくる ウズベキスタン男の料理

 しばらくして、ファズリディンさんがテーブルの上に置いた料理は、黄色っぽいライスの上にニンジンがのり、さらにその上に骨付きの肉がのったものだった。けっこう油を使っているのか、キラキラと米が照り輝いている。

「肉はラムです。あとはニンジンとタマネギ、それからクミンが入っています。ウズベキスタンはパンが主食なので、プロフはメイン料理にあたる。サラダと一緒に、夜食べることが多いですね」

 熱いうちにどうぞ、とファズリディンさんがすすめてくれた。骨付きの肉は遠慮なく手づかみで食べてくれと言う。それならば遠慮なく、と口に運んだ。

 クミンの香りがふわーっと広がった。やはり油っぽいがそれがコクを生み、さらにラム肉の旨みがライスにじっくりと染み込んでいてかむほどに味わい深い。肉はクセがなくてほろりと崩れ、ニンジンは甘くやわらか。複雑な味付けはされていないのだが、そのぶん素材の味がしみじみと味わえる。

「味付けは油と塩とクミンだけ。最初に、熱した油の中にラム肉を入れてよく炒めます。その後に短冊切りにしたニンジンとみじん切りのタマネギを炒め、クミン、米の順番で鍋に入れていきます。最後に水を入れて米の芯が少し残るくらいまで炊くんです」

店で食べられるサマルカンドのプロフ。鶏肉や牛肉でつくることもあるがラム肉が基本