「4万2000年ぐらい前までさかのぼる、今のところウォーラシア海域で一番古い年代が出ている遺跡です。私は、出てきた魚骨の分析を担当しました。ここで特徴的だったのは、とにかく魚骨がすごい出たこと。貝も出ているんですけど、貝だけじゃなくて、海産資源がいろいろ出ていて、特に魚の骨が非常に多く出ている特徴的な遺跡でした」

 実はこの遺跡の論文は科学雑誌のサイエンスに掲載され話題になった。魚の骨が大量に出てくることが稀なのと、さらに小野さんによる分析の結果、おもしろいことがわかったからだ。

東ティモールのジェリマライ遺跡。(写真提供:小野林太郎)(写真クリックで拡大)

「貝は結構いろんなところから出るんですけど、ここのように魚の骨がパッキングされて(ぎっしり詰まった状態で)出てくるっていうのはなかなかなくて。そういう意味で非常に面白い遺跡だったのは間違いないんですが、それに加えて、魚の骨を見ていくと外洋性の魚、サバ科のマグロだったりとかカツオの仲間が、一番下の4万2000年前の層からも出てきたんですよね。一般的に、遊泳速度の速い外洋系の魚って捕るのが一番大変な魚でして、そういった魚を捕り出すのは多分1万年より後、新石器時代になってからじゃないかっていうのが定説だったんです。その予想を覆すということで注目を浴びました」

(写真クリックで拡大)

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