第113話 なんと!なんと!朝一の電話に、嬉しびっくり

「犬橇は、上手くなったかい?」

 オリバー爺さんは、優しく私に尋ねた。

 私は少し微笑んで、あえて明るい声を出して言った。

「はい、ようやく犬たちが、私の指示を聞いてくれるようになりましたよ」

 ところが、電話口で漏れる声を聴いていたトーニャが、眉間にしわを寄せながら、思案に苦しむような口調で言った。

「犬橇は、無理かも……」

「え?」

 トーニャの意外な言葉に、私は目を見開いた。

「どうして? 雪があるのだから、犬橇でどこへだって行けるじゃない」

 私は納得がいかない顔でトーニャに詰め寄った。

 険しい顔を続けるトーニャは、腕を組んで、唸るように悩みながら、おもむろに無線機を手に取って、スティーブを呼び出した。

 無線に応えたスティーブは、トーニャからの事情を聞くと、やはりトーニャと同じ意見を言った。

「犬橇では、無理だよ」と。

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